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築30年違法建築の自宅を和風の二世帯住宅にしたい。相続税対策を取って土地を最大限に活かした建替えへ。

相談内容

閑静な住宅街に建つ築30年2階建ての木造住宅を、相談者65歳のご夫婦と息子夫婦との2世帯住宅にすることを検討。敷地は約45坪、建蔽率40%、容積率80%の条件。至近には広大な都立公園があり、池を中心に遊具や遊歩道も整備された市民の憩いの場となっている。
 
相談者のご要望としては
・建蔽率・容積率ともに超過した違法建築であるが、今の建物と同じくらい広い住まいを作りたい
・「和風建築」をテーマとした家づくりにしたい
・20代の息子夫婦(以下、「子世帯」)が資金を出すため、費用はなるべく抑えたい
・将来の相続税対策、そして節税対策となる住まいにしたい
 
上記を満たすためにはどのように計画を進めていけばよいか提案して欲しいと相談に訪れれる。

問題点の抽出

・建替えorリノベーションした場合の建築面・税制面でのメリット・デメリットは何か
・二世帯両方の新しい住まいに対するご要望およびスケジュールの整理
・資金を出す子世帯の今後のライフプランの確認
・建物費用の他、解体・外構含めた総合費用の確認

提案

・現状の建物のインスペクションを行い、建替えるべきか、リノベーションすべきか診断
リノベーションは可能であったが、築年数が30年超えのため、リノベーション後にもメンテナンス費用が掛かる可能性もあること、子世帯がこれから長く住まうにあたり不安材料でもあることを説明。
 
・現在の住まいが違法建築であることから、子世帯がリノベーションのローンを組むにあたり、銀行から遵法性の無い建物については融資を否決される可能性があることを説明
 
・二世帯ともに要望をヒアリングした結果、親世帯は「和」の外観と内観+収納、子世帯は大空間のLDK+将来の子ども部屋・テレワークルームという新しい生活様式を取り入れる形から、既存の住まいを利用するリノベーションでは要望を満たしきれないことを説明
 
・子世帯は現在、賃貸住まいで相談当初からすると完成は1年半先の計画となる。この期間に何をどの時期に、どれくらいの時間をかけて進めるべきかスケジュール表を作成し、提案。
 
・FPをまじえ、子世帯のライフプランをヒアリングし、キャッシュフローを作成
現在の年齢で住宅ローンを組むメリット、そして将来不安に陥らない借入額(月々支払い)の上限をご説明。
 
・二世帯ともにご要望は多く、資金計画に不安もあることからコスト削減のご提案
まず工務店、ハウスメーカー含めた複数の会社でコストを検証。それに合わせて外構工事・解体工事は分離発注によりコスト削減を検証。
 
・税理士に親名義のままのリノベーションの場合の贈与税を概算で算出してもらい、建物名義を父から子世帯名義に移転することを提案

費用

・家づくり仲介システム  ・・・請負金額(税込)の3% ※①
・キャッシュフロー表の作成  ・・・①に含む
・贈与税、相続等の税務相談  ・・・①に含む

コンサルティング結果

・既存建物のインスペクション、二世帯の各々のご要望、住宅ローン、いずれの観点からも今回のご計画はリノベーションではなく、建替えで進めるべきであることをご説明。

 

・子世帯の現状とライフプランを詳細にヒアリングし、キャッシュフロー表を作成することで、当初検討していた予算よりプラスすることができることが分かった。

 

・資金計画が大幅に改善したことで、工務店1社、大手ハウスメーカー2社の計3社で比較することになり、土地を最大限に利用したプラン、および見積もりで提案。

 

・外構、解体工事を建築会社に任せるのではなく、お客様と専門業者の直接発注型(分離発注)とし、解体業者は3社、外構工事は2社で見積もりを比較。弊社と各専門業者、お客様の現地打ち合わせにより、当初建築会社が予算組していた金額よりも抑えることができた。

 
 

■結果:建築会社3社で、コンペを行った結果、違法に大きくしてしまった既存建物と遜色ないほど、土地を最大限に活用した提案を行った建築会社(ハウスメーカー)に決定。資金計画は相談当初よりも上振れしてしまったが、キャッシュフロー表作成による資金計画の最大幅、そして契約締結前に建築会社提携金融機関による融資仮承認(分離発注工事費用含む)を得られたことから、お客様も安心して契約された。

請負契約締結から着工までは時間があることから、お客様もゆとりをもって建築会社と打合せを行っている。また、建築会社との間取り打合せに分離発注の外構業者を同席させるなどして着工までに外構工事のプラン、費用を確定させるスケジュールで現在も打合せを進めている。

担当者

森下 明

住宅コンサルタント

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