不動産を購入して新築・リフォーム

十年来の夢の実現~セカンドライフを謳歌する~長野県佐久市S様邸

 アメリカでは誰しもが55歳位を目途に引退し、セカンドライフを謳歌したいと考えていると話すS氏。
 自身も海外生活が長かったせいか、会社員として在職中の頃より、そんな憧れを持つようになり、同じように夢を思い描いていたとのこと。以降、なんと10年をかけた地道な作業がその想いを実現させる。

 S氏からの最初のお問い合わせはちょうど2年前。その後、さまざまなセミナーを受講し信頼したとのこと。実は、他の第三者機関といわれる会社さんとも打ち合わせをしたんですよと打ち明けてくれた。決め手は一番人間が温かかったこと、心が通い合ったことと話す。なんと嬉しい言葉だろうか。その気持ちがわれわれコンサルタントの心を動かす。

 不動産、住宅、保証・保険の3人のコンサルタントがチームを組んでサポート、夢を実現した。

便利さを追求した田舎暮らし

 最近よく耳にする「トカイナカ」。
都会と田舎を同時に味わうという意味だ。田舎暮らしというと、退職後に静かな山村で野菜などを自家栽培して自給自足しているイメージがあるが、現実は、自然と共生ができず、友人・知人との交友もたたれ、夫婦二人だけが話し相手ということにノイローゼになったりと失敗事例が多い。
 S氏の住まいづくりのテーマは、まさに「トカイナカ」。山奥の自然暮らしではなく、便利さを追求した田舎暮らしだった。
 引越しの案内を友人・知人に送付すると、野菜を送ってくれという要望が殺到。全然違うのにねとS氏が微笑む。やはり勘違いする人が多いのだ。
右:S邸から見える眺望。蓼科山が見える。(撮影/北澤 荘太)
左:S氏が土地を決めた理由
1.大宮駅から新幹線で1時間で行けること
2.新幹線の駅から至近距離で、近くに病院・買い物施設が充実していること
3.小高い丘の上にあり、自然環境が豊かで、どの場所からも山々が見えたこと
 ( 特にお風呂からの山の眺望がS氏の最大の要望)
4.男性の長寿日本一の地区だったこと

理想の環境と理想の場所

 大宮駅から徒歩10分のところに永年住んでいたが、目の前に10階建てのビルが立ち並ぶようになり、1階の陽当たりが悪くなったことが発端となる。
 最初はリフォームしようかなとも考えたが、環境は変えられないと以前から憧れていた田舎暮らしを決断。友人・知人、親戚一同が住んでいる大宮駅から新幹線で1時間圏内の土地探しを開始。S氏ご夫妻は旅行が好きなこともあって白河、軽井沢、越後湯沢などいろいろなところをまわったそうだ。そこで理想の環境・理想の場所に10年越しにめぐり合う。それが佐久市だった。
 お父さんはもともと賛成してくれていたそうだが、息子さんは当初は反対。しかし、大宮から離れたくないと言っていた息子さんに、場所を見せた途端、いっぺんに気に入り、いっしょに来たいと言ってくれたそうだ。これでS家全員の住み替えが決まる。
1.ゆったりとしたバスルーム
2.バスルームの窓から望める素晴らしい山々(撮影/北澤 荘太)
3.裸足で歩きたくなる桐材の階段
4.玄関からリビングルームの床材は赤松とタモ

こだわりの住まいづくり

 土地が小高い丘の上ということもあり、和室から、書斎から、リビングから、そしてS氏の最大の希望であるお風呂から、家の中のありとあらゆる窓から、浅間山、蓼科山をみることができ、どの部屋も燦々と光に溢れている。目の前の川辺にはさまざまな野鳥が飛び交い、その横を1時間に一本程度しか通らない高原列車の小海線が心地よい音を立てながら通り過ぎる。
 内装も自然素材が溢れる。床材は、1階と水廻りに赤松とタモ、階段から2階は、珍しい桐材であたたかさとやわらかさを醸し出し、すぐにでも裸足で歩きたくなる。壁はすべてに白洲壁。巾木や廻り縁もムク材だ。
 リビングの中央には、階段があり、その中2階の踊り場から書斎コーナーが突如出現する。一見異様にも見えるが、ちょうど家の中心に存在し、一段高くなったところからリビングを見下ろす形になっている。まるでやぐらのようで、S氏がそこに座るとお城の城主でもあり、船の操縦室のようにも見える。もちろん正面には、大きなリビングの窓から素晴らしい山々が見える最高の位置だ。
 リビングはメインとサブの2つに別れており、メインリビングには、本物の暖炉があり、サブリビングには掘りごたつがある。和と洋それぞれの楽しみ方ができるようになっている。
1.2.リビングルームから2階へ 杉のムク材をつかった吹き抜け
3.船の操縦室のような中2階にある書斎(撮影/北澤 荘太)
4.書斎の正面にある大きなリビングの窓から素晴らしい山々が見える(撮影/北澤 荘太)

どこに施工してもらうのかが一苦労

 一番心配だったのが施工会社選び。知っている人が誰もいない土地で、一生お付き合いできる施工会社に出会うのは奇跡とも言える。いくら人柄がよくても、潰れてしまってはメンテナンスもない。ここである会社とめぐり合う。それが地元密着の工務店、リューケンハイムだ。
 間取りは一発で要望どおり。微調整のみで済んだとのこと。内装仕上げも提案が素晴らしく、S氏の要望どおり、いやそれ以上だったとのこと。心配された財務状況もネクスト・アイズがチェックし、保証と保険もかけ、万が一に備えた。
 そして、何より決め手となったのが、社長さんの人柄。一生涯お付き合いできると確信したと同席してくれた山浦社長に微笑み、社長も照れ笑い。
 最後にひとつ。コンサルをした数は数知れず、いろいろな住まい方の工夫に感心してきたが、ここに住みたいと思える家は、正直数少ない。ここは、そんな数少ない家のひとつだった。
 お茶が入りましたと気遣う、奥ゆかしい奥様の笑顔が、お世話をさせていただいて本当によかったと実感させた。
1.飛び石のある中庭(撮影/北澤 荘太)
2.明るい和室からも浅間山が見える(撮影/北澤 荘太)
3.存在感がある暖炉
物件名
長野県佐久市 S様邸
家族構成
夫婦・親1名・子供1名
設計
株式会社リューケンハイム
施工
株式会社リューケンハイム
住宅コンサルタント
小野信一(ネクスト・アイズ株式会社)

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