自宅を建て替え

耐震、老朽化の不安から自宅と賃貸の建て替え コンサルタントが良き相談相手に/東京都練馬区

地下鉄・私鉄駅からもほど近い、閑静な住宅地に佇むのは、モダンなタイル貼りの外壁が目を惹くアパート。
オーナーはO様。昼間はお勤めのかたわら、賃貸アパートと自宅の建替えをこのたび完了させた。

限られた時間のなかで、家づくりを成功させた秘訣をO様に伺ってみた。

広すぎる家に、耐震への不安、賃貸の老朽化も問題だった

もともと、家族4人でお住まいだったご実家。敷地内には4世帯が入居する賃貸住宅もあった。しかし一昨年、お母様が亡くなり、おひとりになられたとき、O様は広すぎる家に不便を感じたという。また、先の震災では被害はなかったものの、今後のことを考えると耐震面に不安を抱いたそう。

「賃貸のほうも老朽化が進んでいたので、思い切って住居部分をコンパクトに住みやすく、賃貸部分を広げて設備等を新しくしたいなと考えたんです」。家族の品々を保存できる収納が十分にあり、家事がワンフロアでこなせること。希望のイメージはかなり明確だった。

「もともと、住宅の情報を見るのが好きで、住宅フェアなどのイベントに行くこともあったんです」。余暇を利用しての、ネットでの情報収集もマメに行っていたそう。そんな中、あるイベントに興味をひかれた。

コンサルティングに出会い、家づくりが動き出す

O様が出かけたのは、東京ビッグサイトでのリフォームイベント。そこで、ネクスト・アイズのブースの「相談できます」というのぼりが目に入り、足を止めた。栗原氏との初めての出会い。2013年9月のことだ。

「最初はコンサルティング?って聞いてもイメージが全くわかなかったですね。そこで栗原さんに話を聞いて、これはいいなと。というのが私はひとり暮らしなので、相談相手がいない。家づくりもどう進めていいものか不安だったんです」とO様。自分にとってコンサルティングサービスは「ベストマッチングだった」と笑顔で語ってくれた。O 様の家づくりの最初の一歩だった。

まず最初にとりかかるのが、業者の選定。第三者機関であるネクスト・アイズから、O様の希望を叶えられそうな建築会社数社を提示、さらにそれぞれの建築会社から、具体的なプランの提案を受ける。

「各社それぞれ得意分野があり、特徴を出して提案いただいたので、とても参考になりました」
2.1階の和室。お持ちの骨董品に合わせた床の間が設けられている。
3.日当りのよい2階LDK。O様は普段ここで過ごされることが多い。
4.洗面まわりも2階に移設し、洗濯などの家事動線がスムーズに。天窓のおかげで明るい空間になった。

鋭い洞察力で、希望を超えた提案を

そうして選ばれたのが、ハウスメーカーであるミサワホームだった。実は同社からの提案は、O様の当初の希望とは違ったものであったという。というのも、O様が足を運んだイベント「リフォーム博」の名の通り、検討していたのはリフォーム。満室状態であった賃貸部分までの建替えは考えていなかった。

最初から2棟建替えを提案したミサワホームには「自分の考えを否定された」ように感じ、その印象は、あまりよくないところからスタートしたそう。 「ところが、その後各社と打合せを重ねるなかで、自宅のみの建替えは建築基準法上、無理があることが分かったんです」。O様は改めてミサワホーム山崎氏の提案がいかに的を得ていたか気づき、その洞察力に感心したという。実際、最初の段階から、現在の完成形にかなり近い間取りプランが提案されているのが分かる。また、賃貸部分と自宅部分の提案力、価格と仕様のバランスも良い点もポイントとなった。

はじまった家づくり、ひとつずつ課題を解決

ネクスト・アイズ栗原氏、ミサワホーム山崎氏とO様のタッグが組まれて、具体的な家づくりがスタート。まず、満室状態だった賃貸部分の退去からはじまり、間取りから細かい仕様決定、資金計画から自身の仮住まいの算段まで、やるべきことは山のようにある。2015年の3月には地鎮祭、6月には上棟打合せ、8月に足場が外れて…とテンポよく振り返るO様だが、仕事を持ちながらの家づくり、それも賃貸併用となると、相当な忙しさだったのではないだろうか。細かい課題も多かったはずだ。

「そこは栗原さんや山崎さんはじめ、不動産会社等関係各社と密に連絡を取り合い、一つひとつ解決を図りました」。
おもに週末を利用して、「20回以上は打合せしましたね」とO様。打合せは、時には夜の10:00を過ぎることもあったという。
5.左から山崎氏、栗原氏、O様。何度も打合せを重ねた者同士の信頼関係が伺える。
6.賃貸の提案も重視されていたO様も満足の美しい室内。
7.賃貸部分の洗面にも窓があり、通風と採光を確保。
8.アパートから自宅へのアプローチ。段の高さやスロープの角度が美しく、自転車で門扉まで行けて便利。

ひとつずつ課題を乗り越えてできた家、その住み心地は?

できあがった家は、2階に生活のほとんどを集約した間取り。リビングは日あたりがよく、とても暖かい。すぐ隣は琉球畳の和室となっており、寝室として使っている。リビングと寝室の間はパソコンコーナーになっていて、O様がここで心地よく過ごされる姿が想像できた。

温かみのあるインテリアが特徴的で、アイボリーやブラウンのミックスされたカーペットやTVボード側のブラウンのアクセントウォール、琉球畳の軽いイエローなど、随所に色を効果的に使いながら、統一感と落ち着きが感じられる。「ミサワホームさんのインテリアは秀逸」とO様に言わしめたほどの、センスとバランス感覚はさすがだ。

また、家事動線もしっかり考えられ、ワンフロアで家事を完結できる間取りが無駄なく考えられている。随所に設けられた室内物干しも嬉しい。洗面の天窓は、開けると風の通り道となり、夏も快適に過ごすことができたという。当初の希望であった収納も、玄関のシュークロークから始まり、随所にたっぷり設けられている。

表からは見えないが、太陽光発電パネルと家庭用燃料電池コージェネレーションシステムが導入されているエコ住宅でもある。今年のお正月は、暖かい家でゆっくり過ごすのを楽しみにされているという。

「これから家を建てる人にアドバイスをするとしたら」という質問に、O様はこう答えてくださった。

「家づくりはやりたいことがすべてできるとは限らず、法律や土地の問題など、大変なことも多い。でも、時間をかけるだけの価値があるので、あせらず、じっくりと取り組むことだと思います」。
物件名
東京都練馬区 O様邸
構造工法
木質パネル構法
設計
ミサワホーム
施工
ミサワホーム
住宅コンサルタント
栗原 浩文(ネクスト・アイズ株式会社)
取材・文/丸石 綾野 撮影/田原 直

関連記事