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空き家対策

相続した築50年駅近の空き家を有効活用したい。老後の負担とリスクを軽減した一戸建て賃貸への建替えをご提案。

相談内容

母親からの相続で得た空き家をリフォームか建替えすべきか、さらに有効活用として何をするのが効果的か相談に訪れる。
建物は築50年で空き家になってから10年経過している。相談者はマンションを所有しているためその立地に住むことはない。年齢も51歳でこれから先の老後資金を考えると、多額の借入をするべきではないと考えている。また亡くなった母親からは、この不動産は売却してほしくないと言い残されており困っている。
当該敷地は葛飾区40坪。建蔽率60%・容積率160%。駅徒歩3分の好立地。

問題点の抽出

・当該敷地を家族や親族が活用する可能性を確認。
・現地調査を行いリフォームした場合に想定される資金計画書を作成。
・賃貸住宅、貸倉庫、駐車場等考えられる活用手段の中で収支計画が成り立つのかを検証。
・賃貸経営をした場合に、敷地が40坪あるとはいえ間口が7mしかないため、適切な間取りや賃料相場について、複数社の市場調査を取得し、収益性を担保する賃貸住宅プランができるのか確認。

提案

・家系図を作成したうえで当該敷地を有効活用する該当者は親族にはいないことを確認。
・現場調査行った結果について、リフォーム資金計画書を提示。空き家になってからの経過年数が長いため、2000万円を超える多額のリフォーム費用が掛かることが判明。
・駅徒歩3分の立地条件ゆえに貸倉庫用地や駐車場用地には適さず、消去法にはなるが賃貸住宅を建てた場合に事業として成立するかを検証していくこととなった。
・4社の市場調査を取得した結果、駅近なため単身でもファミリータイプでも賃貸住宅としての需要があると各社が判定。
・建築会社から賃貸住宅プランを提案してもらい、そのプランを基に事業計画書を提示。

費用

・土地活用診断コンサルティング  ・・・165,000円(税込)
・賃貸経営コンサルティング  ・・・建築請負金額(税込)の3%※①
・市場調査報告書  ・・・①に含む
・優良建築会社の紹介  ・・・①に含む
・建築資金計画書及び収支計算書の提示  ・・・①に含む

コンサルティング結果

今回は、相談者が自宅(マンション)を所有されており、子供もいないため相続対策は考慮せず、有効活用として最適なものを探すことがテーマでした。
・考えられる有効活用対策として、まず駅徒歩3分の立地条件ゆえに貸倉庫用地にするには適さず、駐車場用地としても間口が狭いことから台数の確保ができないことが判った。全ての対策を検討した結果、賃貸住宅を建てることが最適であるという結論に至りました。
・事業計画書を作成していく中で最も収益が上がるのは3階建ての単身者向けの賃貸アパートでしたが、そもそも相続で得た土地であることや多額の借入金を作りたくないという相談者の意向から、2階建て35坪一戸建ての賃貸住宅で計画を進めることにしました。
・相談者は賃貸経営を行ったことがないため、出来る限りのリスクヘッジをしたいと希望。賃貸管理については空室対策を考慮しないで済むサブリース契約(家賃保証)を結ぶことを前提に計画を進めております。
■結果:賃貸住宅を検討するために賃貸実績のある住宅会社3社のコンペを行いました。数回にわたりプランや見積りの提案を受けましたが、最終的には35坪2階建ての一戸建て賃貸住宅にするか、3階建ての単身者向け賃貸住宅(全8戸)のプランにするか、かなり悩まれたようです。結果として収支的には劣りますが総建築費と借り入れを抑えられる一戸建て賃貸を選び、そのプランを推進した施工会社と請負契約を締結しました。
A(選定)【35坪2階建てプラン】
建築費4,500万円/年間賃料 約300万円/収支上手残り 年間120万円
B(非選定)【75坪3階建てプラン】
建築費8,500万円/年間賃料 約800万円/収支上手残り 年間400万円
上記が最終的に出た収支計画上の数字です。
有効活用、賃貸経営ともに何のために行うかの目的が重要です。今回のケースは収支ではなく、リスクヘッジを高めたいという要望が強かった結果によるものです。

担当者

栗原 浩文 

住宅コンサルタント

保有資格:ファイナンシャルプランナー

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