めっきり秋めいてきましたね。例年より遅れがちですが、紅葉前線も次第に南下してきています。日中の気温も20度程度。散歩するだけでも気持ちがいいですね。
さて、先日住宅を建てる人の意欲が、生活費の物価上昇、建築費の高騰、住宅ローンの金利の上昇を理由に低下しているとのお話をしましたが、早速、国土交通省では来年の住宅取得支援策の検討に入りました。
昨年から支援してきた「こどもエコすまい支援事業」の再開
「こどもエコすまい支援事業」とは、18歳未満の子どもがいるか、夫婦のいずれかが 39歳以下の世帯を対象に、太陽光発電などを活用してエネルギー消費量を実質ゼロにするZEH基準の住宅を新築した場合、メーカーなどを通じて 100万円を補助する仕組みです。
また、省エネ性能を高める既存住宅のリフォーム工事に関しても、子育て・若者世帯には最大 45万円を補助するものです。
22年度第2次補正予算と23年度当初予算に計1709億円を計上し、推し進めてきた住宅取得支援策ですが、9月末に予算満了で終了しました。これを政府が近く発表する経済対策に、2023年度の補正予算として費用計上することで事業再開の検討に入りました。
住宅ローン控除や住宅取得資金贈与の特例などの優遇税制などと相まって住宅取得を検討している若い世代には大きな後押しになるでしょう。
しかし、一点気になる点があります。
住宅をどこに建てるか
若い世代が住宅を建てる場所のほとんどが、自身で購入した土地です。東京都内でも地方でも変わりません。自らが育った実家はそのままであり、問題となっている空き家問題をさらに助長しかねないからです。
人口が減少し、世帯数も今後減少することを考えれば、これ以上新築住宅を増やしても、空き家問題の解決にはなりません。
実家を建替えたら100万円補助、親と2世帯住宅の場合はさらに100万円補助固定資産税、住民税のさらなる軽減などの手厚い優遇・助成をすれば、実家の空き家問題に少しでも解決の糸口になるかもしれません。孫の面倒を見てもらえれば、少子問題も解決しますし、労働力の確保の面でも恩恵がでます。単純に新築住宅を増やすだけでは、既存住宅が野放しとなり、流通どころか空き家問題を加速させます。
《実家を建替えて住まない理由》
- ・親といっしょの生活は嫌
- ・勤務地から遠い
など、交通や生活の便が悪いということもあるでしょう。
しかし、こうしたデメリットをどう法改正していくか、国だけでなく、地方行政もいっしょに考えていくことが大切だと思います。