先週は、西日本を中心に線状降水帯による集中豪雨により、各地で冠水、河川の氾濫や土砂崩れによる被害が発生しました。こうした水害は例年梅雨末期に発生するもので、2週間ほど早いですね。
今週から晴れの天候が続き、予測通り早めの梅雨明けとなりそうです。35度を超える猛暑日が続きますが、どうか体調には気を付けてくださいね。
大手住宅メーカー9社の2022年度の1棟あたりの平均単価について
住宅産業新聞社の調査によると、大手住宅メーカー9社の2022年度の1棟あたりの平均単価は全社プラスとなり、増加幅は4~11%。平均単価が4,000万円を超えるのは5社で3,000万円台は4社とのこと。平均床面積は、100m2から145m2と各社ばらばらだったとのことです。
構造や単世帯、二世帯住宅などの用途によって違いはあるにせよ、坪単価に逆算すれば、70万円~100万円位が平均単価になります。あくまで全国平均ですから、首都圏に限定すれば準防火仕様になること、人件費が高いことを考慮すれば、坪単価は 10万円から 20万円はプラスとなり、契約平均坪単価は、80万円から 120万円となります。
仮に木造の中級程度の仕様で 100m2(30坪)の単世帯住宅を検討すると、以下の通りとなります。
ハウスメーカーの価格の違いは、本体工事のみですから、100万円/坪であれば、プラスの600万円。鉄骨系で120万円/坪であればプラスの 1,200万円が、上記の総合計 3,300万円に加算されます。登記料や火災保険料、ローン諸費用は別途必要になります。
今年に入って4月と7月の2回、見積単価の改定をしていますから、もう少し高くなっているかもしれません。土地の価格も高騰していますから、土地を購入してということになれば、一般の方にはとても手の届かないようになってきています。
工務店さんと比較すると、かなりの金額差です。工務店さんの平均坪単価が現在 70万円位。それも付帯工事費込みの価格です。同程度の仕様で比較すると、木造で2割から3割は総費用が安いと思います。消費者に遠慮して価格転嫁が上手くできていない点が大きな理由ですが、気になるのは、内部の断熱仕様がもうひとつ遅れている点です。
大手住宅メーカーは、2025年の省エネ義務化はもちろんのこと2030年のZEH基準である断熱等級5を標準化しています。また、2025年の太陽光パネル設置義務化も視野に入れています。単純に資材の高騰や人件費で価格が上昇しているわけではないのです。
工務店さんも、売れなくなったらと価格ばかり気にしていると内容もハウスメーカーさんとどんどん差が開いてしまいます。工務店さんの奮起を期待しています。