5月も後半に入りました。
外でのマスク規制も解除され、徐々に通常生活に戻りつつあります。
しかし、感染者も1日数千人いることから、自身でできる基本的な感染対策に
ついてはしっかりとする必要がありますね。
さて、先日フリーダイヤルを受け、こんな相談がありました。
父親が5年前に亡くなり、相続人である兄と相続で揉めているとのこと。
母親はすでに他界しており、兄と相談者の二人が相続人だそうです。
父親名義の土地に兄が家を建てて住んでおり、その土地は相続の対象にはしない、自分のものであり預貯金だけを1/2ずつ取得するというのが兄の主張で、相談者は納得できないというものでした。
基本的には、相談者の主張が正しいのですが、問題は揉めているので、相続登記が行われておらず、まだ亡くなった父親名義のままなことです。
実は、相続で揉めていなくても、土地と建物が何年も前に亡くなった方のままで建替えるにしても売却するにしても、まずは相続登記をしなければいけないというケースは珍しくありません。
理由は、相続登記が特に義務化されていなかったからです。しかし、このまま相続登記がされていないケースが続くと、空き家問題とともに所有者不明土地が増大する結果になりました。
今や所有者不明土地は、2016年現在で、推計410万haとも言われ、全国の土地の20%を占めるようになりました。
これは九州の368万haよりも大きな面積です。基本的にはほったらかし状態が多く、課税するにしても誰に通知したらいいか、また保守・保全も問題になっています。
そこで、国は2024年4月1日より相続登記の義務化に踏み切りました。。
今後は、相続などで不動産取得を知った日から3年以内に相続登記をしなければ10万円以下の過料の対象となります。
相続などで揉めている場合などは、相続人が法務局に申告した者の住所・氏名などを記録する相続人申告登記をすれば、一時的に相続登記義務は免れますが、その後の遺産分割協議により、不動産取得した日から3年以内に相続登記をしなければなりません。
またこうした法改正は、法改正以前の相続登記未登記物件にも適用されます。
つまり、10年以上も前から同様にすでに亡くなった両親のままという方にも適用範囲が広げられていますので要注意です。
気になる方は、一度法務局で謄本を調べた方が良さそうです。