五月晴れという言葉とは裏腹に、どうもはっきりしない天気が続きますね。
梅雨の走りと言われているようですが、東京ではようやく明日から天気がいい日が続くようです。期待したいですね。
さて、先日東京都が新築住宅に太陽光パネルを設置義務化の検討に入ったとの記事が出ていました。
東京の新築住宅というのは、2階建てで建築面積は15坪程度。
狭小住宅が中心の都心では、10坪にも満たない建築面積で3階建てが中心。
屋根面積は非常に限られ、密集していて日照の確保もままならない現状で戸建てでも義務化になれば、設置費用だけがかかり、費用対効果は悪い。
どうしてこんなことになるのでしょうか。
国は、2050年までに温室効果ガスをゼロにするカーボンニュートラルの実現を目指しています。
そのためには、まずは2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目標としました。
しかしながら、温室効果ガスを一番大量に出している東京都の現状で言うと、2030年までに2000年比で半減させるという目標に対し、2019年時点でわずか 0.2%程度しか減少させていないとのこと。
特に、一般家庭からの二酸化炭素(CO2)の排出量は増加の一途で、東京では世帯数が増えた影響もあり、家電の省エネ化にもかかわらず、家庭の2019年の排出量は、2000年より 300万トン以上増えたとのことです。
こうした理由から、小池知事の強い指示の下、新築住宅にも太陽光パネルを設置することを義務付けようとしています。
ただし、一般の施主に義務付けるのではなく、都内で 2万m2以上を供給している大手ハウスメーカーやビルダーを規制対象とするとのことです。
2万m2というと約 6,000坪、30坪程度の新築住宅を 200戸以上供給しているところが対象となります。工務店は対象外ということです。
しかし、大手ハウスメーカーなどの供給者が太陽光パネルの設置費用を、すべて自社で吸収するのでしょうか。そんなことはないですよね。
おそらく住宅販売価格に上乗せするでしょうから、結局は一般の購入者が支払うことになると思います。
今まで以上に補助金制度の拡充はあると思いますが、維持費も含めて購入者の負担が大きくなることは否めません。
景気が浮揚し、賃金の上昇が思った以上にみられればいいのですが、最近の悪いインフレを余計加速させることも考えられます。
新築住宅の省エネ・断熱性能を高め、かつ戸建住宅で使うエネルギーはその戸建住宅自体で太陽光パネルなどを活用し、生み出す。
このネットゼロエネルギーハウス(ZEH)の理論はわかります。
また化石燃料(石油・石炭・天然ガス)を使わず、また原子力も使わず、自然エネルギー(太陽光・風力・水力)への移行を急ピッチで行うと地震や気象異常などで、先日の停電騒動にも波及しかねません。
やらなければいけないことは充分にわかります。
しかし、現状を見据えてのロードマップをもう少し再考すべきです。