慣れというのは恐ろしいもので、35度以上の気温に慣れてしまうと、30度くらいでは涼しく感じるんですね。
もう8月。今週から夏休みという方も多いと思います。あとひと踏ん張りです。頑張っていきましょう。
さて、2019年の消費税増税を約半年後に控え、一次取得者を中心に相談が少しずつ増えてきました。今回は、土地を購入して注文住宅で家を建てたいという若夫婦の相談事例を紹介します。
30代前半の若いご夫婦。お子さんを授かったのをきっかけに、今回土地を購入して家を建てたいが、何から始めていいかわからない資金計画も心配、業者選定もわからないということで相談に来られました。
住宅展示場は何度も廻っているらしく、家づくりの基礎知識や資金的な面もハウスメーカーの営業マンから教わって勉強したとのこと。ここが曲者でした。
購入したい土地が見つかり、代金は 3,000万円。仲介手数料や登記費用などの諸費用で約 200万円。いわゆる土地だけで約 3,200万円かかることになります。
自己資金は、親御さんからの支援金(1,200万円)も合わせて 1,500万円。あとは住宅ローンということになりますが、年収から逆算すると 4,000万円が借入金の上限でした。
つまり総資金は 5,500万円ということになります。
建物の要望は、2階建ての延床面積30坪。
住宅展示場で知り合った営業マンに建物の金額を尋ねたところ、標準仕様で坪60万円から坪70万円というのが答えで、本人たちの意識では諸費用を入れても 2,300万円程度と考えていたようです。
完全に典型的な例です。
その金額ではすみませんよ、と弊社の資金計画表にその場で落とし込んだら3,000万円をゆうに超えていました。
新築工事の費用は、以下の3つの合計金額です。
1.建築工事費:〔(1)+(2)〕× 消費税= 2,592万円
(1) 本体工事費:30坪×70万円/坪= 2,100万円(長期優良住宅仕様)
(2) 付帯工事費:300万円(屋外給排水、電気・ガスの引込工事、設計料他)
2.諸費用:150万円
(登記費用、地鎮祭・上棟式費用、ローン諸費用、火災保険料、引越他)
3.その他オプション工事費:400万円
(外構工事、空調、照明・カーテン、アンテナ工事、地盤補強、家具他)
建物にかかる総資金は、1+2+3の合計ですから 3,142万円となります。
建物予算 2,300万円からは、842万円のオーバーということになります。
営業マンがいう坪単価とは、1の(1)にあたる本体工事費のみです。総額ではありません。正しい聞き方は、建物にかかる全ての総額はいくらになりますかというのが、適切な質問の仕方になります。
ちなみに、この若いご夫婦は親から 1,200万円の住宅取得資金の贈与を受けますから、長期優良住宅を前提にしないといけません。
一般の住宅では、700万円までしか贈与枠がありません。
総資金 5,500万円の枠の中で、土地の購入から見直しを図ることになりました。