めっきり朝晩が寒くなってきました。
今週からは最低気温も10℃を下回るとのこと。もう晩秋の気配です。体調を崩されている方もちらほら見受けられます。
皆さんご注意を。
衆議院過半数割れで今後の影響は?
さて、まさかの自公与党の衆議院過半数割れで政局が動揺しています。野党の一部を巻き込み、何とか政権を維持しようとしていますが、なかなかうまくは進まないようです。
こうした混乱は、経済にも影響します。
株価は乱高下、日銀のコメントも右往左往、場当たりという感じです。政治が安定すれば、経済も安定するということわざの逆転現象ですね。
野党は、一気に政権交代と行きたいところですが、政策も同じではないですし、以前の政権交代時のような内閣不信任決議案を可決し、内閣総辞職もしくは解散しても、混乱するだけなので慎重です。
結局は、前述したように現与党が一部の野党と協議し、政策ごとに連携という形に落ち着かざるを得ません。しかしながら、協議の時間が長引けば予算にしても何にしても実行が遅れることは必須。
政治も会社もスピードが命ですから、国民に得は何一つありません。
「103万円の壁」引き上げる政策の争点は?
そして、一部の野党と連携を模索している中で、今話題となっているのが、「103万円の壁」。これは何?と思われる方も多いので少し解説します。
「103万円の壁」というのは、年収が103万円を超えると所得税を支払わなければいけません。なので103万円以内で仕事を抑えるという調整が入ることです。
103万円というのは、基礎控除48万円+給与所得控除55万円の合算した数字です。
例えば、飲食店などでアルバイトしている人が、10月までに103万円を稼いでしまったので、11月、12月は働きませんと言ったら、困るのは飲食店経営者。年末の稼ぎどころで労働者がいなくなったら、稼ぎたくても稼げなくなってしまいます。
また103万円を超えると、扶養者が配偶者控除や扶養控除が受けられなくなり、自身の所得税にも響いてきます。なのでアルバイトやパートなどで働く配偶者や大学生などは、働き方を抑制・調整するわけです。
ただでさえ、労働力不足に陥っている日本では、逆行している制度とも言えます。制度自体始まったのが1995年ですから、今の賃金上昇に見合わず、この103万円を、178万まで引き上げるというのが一部の野党が掲げた政策です。
ただし、これを実行しようすれば、約7兆円から8兆円の減収となり、消費税を3%下げたと同等の試算もあります。また、ある程度年収のある扶養者にはメリットがありますが、年収が少なく、片親や夫婦共働きの方たちを助ける話ではないので、「不公平」感はぬぐえません。
「103万円の壁」以外にも、「106万円の壁」や「130万円の壁」というのもありますが、こちらは社会保険への加入義務の壁です。緩和策としてすでに助成金の支給などの施策を講じていますので、取り上げませんでした。