ようやく先週末、関東甲信で梅雨入りが発表されました。昨年より13日遅く、例年よりも14日遅いそうです。
梅雨明けの予想は、例年並みとのことで、梅雨の期間が短い反面、雨量は多いとのこと。しとしとじめじめではなく、ザーザー降りの日が増えるということでしょうか。7月はただでさえ水害の多い季節ですので、心配ですね。
不動産売買の報酬上限が改定されるのはナゼ?
さて、まだ案の段階ですが、国土交通省から不動産売買における宅建業者の報酬上限が改定されるとの報道がありました。現状の宅建業者の報酬上限は売買の場合、以下の通りです。
- 現状の宅建業者の報酬上限は売買の場合
- ・200万円以下:取引物件価格(税抜)×5%+消費税
- ・200万円超~400万円以下:取引物件価格(税抜)×4%+2万円+消費税
- ・400万円超:取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税
首都圏において、不動産の売買価格が400万円以下というのはほぼありません。しかし、物価が安く、土地価格の安い地方においては、数多く見られます。また、地方の利便性の悪い空き家などでは、100万円以下どころか、1円売却や0円売却なんていうところもあります。
仮に100万円だとすれば、宅建業者の報酬額の上限額は、100万円×5%+消費税で5.5万円(税込)ということになります。しかし、これでは現地調査や交通費、謄本の取得などの経費がかさみ、利益と呼ぶには程遠く宅建業者は誰もやりたがりません。
そのため、空き家が問題になり始めた平成30年に、400万円以下の宅地建物を対象に、宅建業者の報酬額の上限が18万円+消費税に改正になりました。あくまで仲介手数料の金額は上記の数式で求められますが、交通費や経費を考慮し、報酬額の上限が改正になったのです。
報酬額の上限引き上げで空き家は減少する?
しかし、空き家の増加が止まらないことで、積極的に空き家ビジネスに宅建業者が参入しやすいよう、さらなる報酬額の引き上げを決めたのが今回の改正です。売買価格400万円以下を800万円以下に繰り上げ、報酬額の上限は、30万円+消費税となるとのことです。
告示改正はプログラム策定と合わせて公布され、7月1日に施行の予定です。
さて、この改正で一気に空き家が減少するのでしょうか。正直言うと、効果は限定されると思います。なぜなら、空き家が利活用できないのは、その需要がないからです。環境は良くても、利便性が悪く、買い手がいない空き家がほとんどです。0円売却が多いのもその理由からです。
しかし、地方の宅建業者にとっては朗報です。完全に需要がない0円売却でも多少の報酬が、それなりに少しでも需要があれば100万円でも今までよりも報酬額は増えますから、積極的になるでしょう。
一方、都心を扱う宅建業者にとっては、あまり関心はないかもしれません。