新緑の穏やかな天候が続いています。日中は陽射しが強く、暑さも感じられますが、朝晩にそよぐ風は爽やかで気持ちがいいですね。これから始まる梅雨や、猛暑の前の静けさと言ったところでしょうか。
さて、先日総務省から令和5年版「住宅・土地統計調査」が発表されました。
令和5年版「住宅・土地統計調査」
「住宅・土地統計調査」は、5年毎に実施され、日本の住宅とそこに居住する世帯の居住状況、世帯の保有する土地等の実態を把握し、その現状と推移を明らかにする調査です。
注目すべきは、空き家総数の増加です。
【注目】空き家総数の増加
現在の日本の総住宅数は6502万戸で、5年前の調査と比べ261万戸(4.2%)の増加。一方で、神奈川県は4.7%高い 4,835万円と首都圏全体を押し上げたそうです。総住宅数のうち、空き家は900万戸で、2018年が849万戸でしたから51万戸増加し、過去最多となったとのことです。
総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)は13.8%。5年前の前回の調査13.6%から0.2%上昇し、こちらも過去最高となりました。結果、調査開始から一貫して増加し、1993年から2023年までの30年間で約2倍となったとのこと。
特に、賃貸・売却用や別荘など二次的住宅を除く空き家である一般住宅の空き家数は、5年前と比較し37万戸の増加となっています。いずれにしても中古の場合は、建物の状況調査と保険が大切です。
考えればこれは当たり前のことですね。
人口が減少しているにもかかわらず、世の中マンションや戸建ての新築ラッシュ。子どもは都心に住居を購入し、実家では老々介護の状態です。
どちらかが亡くなれば、独居老人暮らし。心身が弱くなれば施設入居となります。こうしたサイクルになる予備軍はどんどん増加中。60歳の私でさえ福島の実家は4年間空き家状態で、施設に入れた母親が亡くなるまではこの状態が続きます。
同じような境遇の人は、私の周りにも数多く存在し、私よりもさらに若い50代の人でさえ、もうすぐそうなりますなんて話しています。
いわゆる空き家予備軍の増加です。
空き家予備軍の増加
これは、実家が地方部にある話だけではありません。
東京では23区内にだけ人口が集中し、多摩地域などの郊外部でも同じです。地方部でも大きな地域都市に集中し、郊外の市町村部でも同様な状況です。共通しているのは、交通の便などの利便性が悪い点です。
地方創生と銘を打ち、地方行政が移住を推進したり、観光業界が空き家を改造して旅館に利活用したりとあらゆる手を講じていますが、改善数が増加数に追いつきません。
一方、空き家は一戸建てのイメージが強いのですが、900万戸の空き家の内、賃貸・売却用の空き家総数は、約476万戸で過半数を占めています。三大都市圏に集中しており、その多くは老朽化していることが原因です。
築30年を経過した木造賃貸住宅や、築50年を経過した鉄骨造や鉄筋コンクリート造の賃貸マンションの空室問題です。
今後は、老朽賃貸住宅の空室問題も大きな問題となってくるはずです。