先週末からの気温の上昇で、街は春の様相です。
桜のつぼみも桜色にふくらみ、今にも開きそうな感じですね。明日以降、様々なところから開花宣言が聞こえてくるのではないでしょうか。
さて、先週末、春季労使交渉の第一回目回答の集計結果が発表されました。
春季労使交渉の第一回目回答の集計結果
これによると、2024年の賃上げ率は、組合員 1,000人以上の大企業で、平均 5.28%、組合員300人未満の中小企業でも4.42%と33年ぶりの高水準でした。
物価の上昇は 2%を維持しつつ、賃上げは 5%以上を目指し、6月のボーナス支給時に定額減税を実施した上で、消費を一気に喚起させるというのが、昨年来からの国のシナリオです。
心配された価格転嫁できずに苦しんでいる零細企業も、大企業や中小企業の賃上げ率を見れば、世の中の雰囲気が後押しする世界ですから、まわりがそうならうちも多少は上げるしかないと考えるのが、普通だと思います。
そして、デフレから脱却し、よいインフレへと転換した今、次のシナリオとして考えられるのが、懸案事項だった日銀のマイナス金利政策の解除です。
日銀のマイナス金利政策の解除
現在の短期の政策金利はマイナス 0.1%です。
これを0.1%以上引き上げて、短期金利を0%~0.1%にするというのが昨日からの金融政策決定会合で決定されました。
これに影響を受けるのが、住宅ローンの金利です。
今まではマイナス金利政策により、住宅ローンの変動金利は0.3%から0.4%程度におさえられており、徐々に2%近くまで上昇してきた固定金利との金利格差が問題になってきました。
住宅購入を検討している一次取得者の住宅ローンの金利選びは、昨年までは変動金利一択でした。
しかし、2月からの「フラット35」子育てプラスの1%金利優遇により、固定金利も1%を切る程度まで落ち、将来を見据え、これから上昇することが確実な変動金利ではなく、これからは固定金利の方が安全ではと悩まれている人も多いようです。
しかし、これからどんどん変動金利が上昇するというのはないように思います。急激な物価上昇もここへきて落ち着き始め、実体経済も現在は下降気味です。日銀が目指す継続的に物価は2%上昇していくというのには、不安要素がいっぱいだからです。
したがって、日銀もマイナス金利政策は一旦解除したけれども、しばらくは、追加の利上げなどは当分しにくく、大規模緩和は継続していくというのが一般的な見方です。
政策金利が0.25%になれば、住宅ローンの変動金利は0.7%程度になると言われています。このあたりが固定金利の金利優遇を差し引いた検討の分岐点になります。
当分は変動金利の方が優位だと思われます。