春の訪れが感じられる季節となりました。近日中には4月上旬並みの気温が予測されています。
私はあまり感じないのですが、花粉の飛散が始まっています。花粉症の方は特に敏感に感じるそうです。1か月位季節の進行が早いようですね。
さて、先日、東京23区内の新築マンションの平均価格が初めて1億円を超えたことをお伝えしました。今回は中古マンションの価格状況についてお話しします。
中古マンションの価格状況について
基本的には、新築マンションの販売価格が上がれば、連動して中古マンションの価格が上がるのが通常です。
ある調査によれば、10年前の東京都の中古マンションの70m2あたりの平均価格は、築20年超で3,800万円位でした。これが昨年ですと、同程度の条件で約6,400万円に値上がりしました。上昇率は168%です。
もちろん、東京都全体の平均価格の上昇率ですから、都心部である都心5区(港区、千代田区、中央区、渋谷区、新宿区)は、投機目的の購入が多いため、これら地区の価格上昇はさらに顕著です。近隣の神奈川県、千葉県、埼玉県も、150%から160%の価格上昇率を示しています。
では、なぜこんなにも中古マンションの価格が上昇したのでしょうか。
中古マンションの価格が上昇した理由
建築費上昇、地価上昇により新築のマンションの価格が上がったからというのもあると思いますが、実はこれにはからくりがあります。
中古マンションの販売方法には、大きく2種類あります。
中古マンションの販売方法
- ・売主が売却の仲介を不動産会社にお願いし、買主を探してもらう方法
- ・売主が不動産会社に現況のまま売却し、不動産会社がリフォームして売主として再販売する方法
一昔前は、前者の方法が一般的でした。不動産会社と相談し売却額を決め、買主さんがリフォームの見積もりを取り、リフォーム代と合わせて住宅ローンを組み購入するやり方です。近年、後者の買取再販方法が主流になりつつあります。
近年主流の買取再販方法
ある調査によれば、昨年リフォームして販売する方法が50%を超えたとのこと。つまり、販売価格にリフォーム代と買取り業者の利益が乗るわけです。通常のマンション価格が5,000万円だとすると、今まではその価格が販売価格ですが、買取り再販という形だと6,980万円が販売価格となります。こうして、中古マンション価格が上昇したというわけです。
買主である消費者にとってみれば、リフォームをする手間も時間もかかる、できればきれいになった状態で見て決めたいというニーズに合致します。
今後は、中古の一戸建てにも波及していくのではないかと期待しますが、マンションの利便性と比べ、駅から遠い築年数の古い一戸建てでは、解体して新築建売りにした方が、消費者にはいいのかもしれません。