能登半島地震発生から16日が経過しようとしています。日々テレビ報道等で見る被災地の様子は、とても16日を経過しているようには見えず、雪が降り、寒々しい光景に心が痛みます。
1日でも早く、暖かい場所と食事を、そして復興を祈るばかりです。
また、先週末は大学入学共通テストがありました。被災地の受験生は、元旦から勉強などできるわけなく、避難所のお手伝いに追われたのではないでしょうか。何とか頑張って欲しいものです。
さて、少しずつですが住宅の被害状況がわかってきました。
能登半島地震住宅の被害状況
14日現在、全壊した住宅が約400棟、半壊、一部損壊した住宅は約11,000棟。この数字には、一番の被災地である珠洲市、輪島市は含まれておりません。あまりにも多く、多数としか報告されていないためです。
そして全壊、半壊した住宅のほとんどが木造2階建て住宅。その中で、1981年以前の「旧耐震住宅」と1981年以降の「新耐震住宅」でも阪神淡路大震災後の2000年に改正された耐震基準を満たしていない住宅が全壊、半壊したそうです。
ここで、耐震基準を整理すると以下の3つに分類されます。
耐震基準3点
- 1.旧耐震基準(1981年5月31日以前に建築確認が申請されたもの)
- 2.新耐震基準(1981年6月1日以降に建築確認が申請されたもの)
- 3.2000年耐震基準(2000年6月1日以降に建築確認が申請されたもの)
今回の能登半島地震の最大震度は7。旧耐震基準は、想定震度が震度5強程度で変形・倒壊しない建物、新耐震基準は、想定震度が震度6~7でも倒壊しない建物とされています。しかし、現実は珠洲市の全壊した建物の半分は新耐震基準の建物だったそうです。ではなぜ新耐震基準の建物が倒壊したのでしょうか。
新耐震基準の建物が倒壊した理由
理由は、ここ1、2年の震度5、震度6の群発地震により、建物が損傷したまま改修されず、ダメージが蓄積されたという見方もあります。ちなみに2000年以降に建てられた建物は、比較的被害が少なかった様子です。2000年耐震基準の改正内容は、地盤調査の実施と地耐力に応じた基礎構造、筋交い金物や柱頭柱脚接合金物の使用の規定、耐震壁の配置バランス、偏心率などの規定などです。今回の件で有効なのが理解できます。
国の耐震化推進でも2000年耐震基準という言葉は出てきません。1981年以前の建物である旧耐震基準の建物は要注意という喚起が目立ちます。
今後極端に言えば特に、2000年以前に建てられた建物に焦点を当てるべきなのではないでしょうか。つまり築年数24年を経過した建物です。最近では、リフォームで太陽光パネルをのせている住宅も多いですね。これも構造上の荷重の関係で不安が生じます。
所有者である皆さんも、新耐震基準だから安心だと思うのではなく、2000年以前に建てられた建物だから不安だ、基礎の状況や外壁のクラックなど建物をチェックし、メンテナンスしようと考えることが大切です。