いよいよ今年も残り5日となりました。
時間の経過が年々早く感じられますね。今年もあっという間の1年でした。皆さんにとって、どのような1年でしたか?良い年を過ごされた方もそうでない方も、来年こそは幸せな1年になりますように。
さて、今年を振り返ると物価上昇に明け暮れた1年でした。
物価上昇に明け暮れた1年
消費者物価指数は約3%の上昇を繰り返しましたが、これは全体的な話です。特に、電気やガス、ガソリンなどのエネルギー価格や日常的な食料品は、10%以上上昇し、一般消費者の生活に大きな圧迫を与えました。
一方で、30年ぶりの賃上げ率3.58%という春闘の結果は、喜ばしいニュースでしたが、物価上昇が賃上げを上回り、実質賃金は低下したままでした。特に、高額な住宅取得に目を向ける余裕はないのは明らかですね。
住宅業界・不動産業界はその煽りを受け停滞
円安の影響で建築費が高騰し、住宅業界は大きな混乱に見舞われました。契約時の利益が次第に減少し、竣工時には赤字に転落するケースもあり、価格転嫁ができなかった工務店やリフォーム店は、コロナ融資の返済期間が終了した9月頃から猶予期間が過ぎた9月位からは倒産が増加しています。
一方、不動産業界では土地、戸建て、マンションの価格が上昇し過ぎ、一次取得者層には手が出ず、在庫だけが増える状態。建売業者は建築費の高騰で建物の建設を控え、土地のみの売買に切り替え、新築物件は値引きを行い在庫処分を進めています。
このような状況の中、株の高騰や円の為替益により、日本の富裕層は増加しています。麻布台ヒルズの開業や東京駅、渋谷駅、品川駅の再開発などが進行中で、都心では不動産バブルが到来し、富裕層による不動産購入が活発になっています。
従来、日本の不動産は購入時が最高利回りで、年々賃料が下がる傾向にあり、インカムゲインの減少や売却時のキャピタルゲインが期待できないというのが一般的な見方でしたが、都心の賃料は急上昇し、不動産価格も上昇しているため、インカムゲインやキャピタルゲインも期待できる状況です。
また、円安の影響も受け、海外の投資家も日本の不動産購入に積極的です。
この1年でますます一般庶民と富裕層の二極化が拡大したような気がします。しかし、インバウンドの急速な回復により、飲食業や観光業が復活し、その起爆剤として、物価上昇に徐々に慣れた初回購入者が秋頃から市場に動き始め、土地や中古マンションの成約件数が増加傾向にあるのは、朗報です。
国の基本政策は、来年の春闘で5%以上の賃上げを達成し、6月のボーナス支給月に定額減税を行い、手取り額の増加を実感させることで、消費喚起につなげ、経済を活性化させるというものです。
「悪いインフレ」から「良いインフレ」への転換を期待しましょう。
今年最後のメルマガとなります。いつもお読みいただき、ありがとうございます。
来年も引き続きよろしくお願いいたします。