11月に入りました。2020年は特にコロナの影響で季節感を愉しむことなく過ごしてきましたから、あっという間に年末の感があります。インフルエンザも含め、体調万全にてあと残り2か月頑張っていきましょう。
さて、10月末に実施した相続・不動産セミナーで一番質問が多かったのが、小規模宅地の軽減の利用です。
小規模宅地の軽減には、大きく居住用と事業用と2種類あります。その中でも、居住用は引き継ぐ相続人が引き続き居住する場合に 330m2までは土地の評価額が80%も減額されるという制度です。
また、相続人が一緒に住んでいない場合でも、「家なき子」であれば同様に評価が減額されます。家なき子というのは、その名の通り、居住用財産を持たず賃貸住宅に住んでいる場合を指します。賃貸住宅が相続開始前3年以内に相続人または配偶者の所有する家屋に居住していた場合は対象になりません。
相談はここに集中しました。自分が該当するか否かです。
しかし、実際に話を聞いてみると、対象は地方の実家が多く、気にする必要がないのがほとんどでした。
ここで、相続税の課税方法をご説明します。
まず、非相続人(亡くなった方)の総財産額を計算します。日本では3大財産といい、預貯金、有価証券(株や国債、生命保険)、そして不動産の合計額のことです。
地方にある実家の多くは、相続税の課税価格は低いのが通例です。土地は路線価、建物は固定資産税価格で計算されますが、大都市の駅前でなければ、土地と建物の合計額が 1,000万円もいきません。
仮に預貯金額が 2,000万円、有価証券額が 1,000万円、不動産が 1,000万円(土地 500万円、建物 500万円)あったとしたら被相続人の総財産額は4,000万円となります。これは結構な富裕層と言ってもいいでしょう。
ここまでは相続税はかけませんよ、という基礎控除額は、
3,000万円+ 600万円×法定相続人の数で算出されますから、仮に法定相続人が母親と子供1人の場合でも 4,200万円までは非課税です。
居住用の小規模宅地の特例を受けた場合は、土地の価格が 500万円から100万円に減額され、総財産額は 4,000万円から 3,600万円となりますが、特に特例を利用しなくても、地方の場合は関係ないということになります。申告も必要ありません。
ほとんどの相談者はこの地方に実家がある例で、その場で簡単に相続税を計算すると特例を使わなくても課税されませんでした。つまり家なき子の解釈に悩む必要はなかったわけです。
勉強すればするほど(必要なことですが)用語や解釈に悩み時間がかかります。そうした場合は、専門家に相談することが一番です。
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