9月に入りました。時候の挨拶は初秋です。早いですね。陽射しはまだまだ強いのですが、日陰に入ればそよぐ風は心地よく秋を感じます。いくぶんか過ごしやすくなったのではないでしょうか。
さて、ずいぶん前にフラット35の悪用問題について書きました。不動産屋が年収 300万円から 400万円位の低所得者に対し、フラット35を利用し投資マンションを販売していたという事件です。
フラット35は、昔の住宅金融公庫でマイホームを取得することに対し、国が支援しているものです。本来自己の居住用にしか利用できないものですが
審査が厳しくなく低所得者でも利用しやすいというメリットを悪用し、不動産業者が投資用マンションの販売に悪用しました。
今回、その事件をさらに上回る悪質な事件が発覚しました。
フラット35を中古マンション投資に悪用するだけでなく、投資したお客様の多くが不動産業者の指示を受け、リフォームローンを別に組まされており、そこでは業者による工事費用の水増しや架空請求が横行してとのことです。
わかりやすく言えば、中古マンションの購入にあたり、賃貸に貸し出す上ではキッチン、バス、洗面、トイレの交換やフローリングの交換が必要ですよと説明し、リフォーム工事屋と結託し、本来 500万円の工事を 1,000万円に水増し請求をして利益を分け合っていたというものです。ひどいケースの場合、すでに売主の方でリフォーム済みのものを、リフォームが必要ですと偽り、工事の見積りだけを融資会社に提出し、融資を下した上でやってもいない工事の請求をする架空請求もあったとのこと。
これは非常に悪質ですね。賃貸人が住んでいて中を購入前に見ないという投資用マンションの売買という特殊性と、フラット35もリフォームローンも不動産業者で取次店ができ、ある程度の操作ができることが要因にあります。
ただこれは詐欺ですよね。不動産事業者の名前を公表し、免許の取り消しと代表者の刑事的な処分が必要だと思います。
こうした悪質なものだけでなく、知らない間に高いお金を払っていることがあることを消費者の方も注意しなくてはなりません。
たとえば、土地を仲介してもらった不動産業者からハウスメーカーや工務店を紹介しますよと言われて建築をお願いするケースです。
こうしたケースのほとんどが、3%~5%の紹介料が不動産業者に入ります。つまり建築会社の見積りに上乗せられ、結果お客様が支払っているわけです。
こうしたグレーな部分がまだまだあるのが、不動産・建築業界ですが、懸命に誠実に業務をしている会社も多くあるのもまた事実。見極めが難しいですね。