先週取り上げた年金だけでは老後に 2,000万円不足するという問題は、国会で大きな問題となって波及しています。まあ、麻生さんと安倍さんの問題意識の低さが問題となっただけですが、選挙も絡みますから自民党としても死活問題というところでしょうか。
現実は誰しもがわかっていることで、不足する前提で年金を補うための個人型確定拠出年金制度や少額投資非課税制度(ニーサ)ができたわけで今さら何をじたばたしているのか、わけがわかりませんね。
さて、生活に絡むことで言えば40年ぶりに改正された相続法。この7月から大きく変わるものがあります。その中でも預貯金の払い戻し制度について解説します。
今までは、被相続人(たとえば父親)が死亡した場合、銀行口座が凍結され、相続人(たとえば母親、子)と言えども、簡単には被相続人の口座から引き出せないという問題がありました。
これにより葬式代などを誰が払うのか、あるいは遺族(たとえば母親)の生活費を誰がまかなっていくのかなど、遺産分割で相続人同士がもめた場合、大きな問題として残りました。
これが、この7月より大きく改正されます。
150万円の上限の範囲で、被相続人(たとえば父親)の相続時の預金額の1/3に法定相続分(母親、子1人であれば、それぞれ1/2)を乗じた範囲までは自由に払い戻せることができるようになります。
従来であれば、払い戻し時に遺産分割協議書や相続人全員分の印鑑証明書が必要だったのですが、遺産分割協議書は不要、自身の印鑑証明書だけで済むのですから、葬式代や遺族の生活費の心配はなくなります。
これ以外にも自筆証書遺言の方式緩和・保管制度の創設は1月よりすでに始まっており、法定相続人ではない長男の嫁などが被相続人の介護などで得られる特別寄与制度の創設などは、この7月から施行されます。
相続については、誰にでもおきるものです。
40年ぶりの改正ですから、内容と施行時期を一度チェックしてください。