春荒れの言葉通り、平成最後の寒の戻りがささやかれる中、最高気温が東京では5度なんて日もありました。寒暖差に体調を崩されている方も多いと思います。どうかご自愛ください。
さて、春の嵐ではありませんが、住宅業界にまた激震が走りました。業界最大手の大和ハウス工業が建築した戸建て、賃貸住宅 2,000棟超にもおよぶ建築基準の不適合問題です。
つい先日、レオパレス21の施工不良問題が発覚したばかりですから、住宅業界にとってみれば信頼が失墜する大問題です。
問題となっているのは、大きく2つ。
外部廊下に出る1階の柱と基礎が、型式認定された仕様と異なっていたこと。
型式認定とは、ハウスメーカー各社が工場で製造する部材などが、事前に国から建築基準を満たしていると認定を受ける制度で、建築確認時の審査が簡略化され、工期を短縮できるメリットがあります。
具体的には、2階の外部廊下を支える柱は、通常1階に出てくるわけですが、その場合は耐火構造にしなければなりません。その柱を逆L字型で1階の壁側に埋込み、1階の外部廊下に出さないようにしたのが問題となった施工です。
いわゆるキャンチとかオーバーハングと言われているものです。
当初、その形で型式認定を受けようと商品開発は試みたとのことですが、実際は型式認定を受けていません。現場では採用されたと思い込み、その通り施工したというのが今回の実態のようです。基礎も同様のようです。
したがって、工期の短縮やコストダウンのために施工不良をしていたと思われる某会社とは、少しニュアンスが違うような気がしますが、大和ハウスが国に認定された仕様を満たさなかったのは、これで4度目です。
2014年(平成26年)と2015年(平成27年)には防火シャッターや防火ドアの取り付けで、2016年(平成28年)には壁パネルの遮音性や防火性の仕様で不適合だったこともあり、社内のチェック体制が不十分ということが露見した形です。
通常私たちコンサルの担当者も、型式認定を受けているハウスメーカーの現場ではその部材までいちいちチェックすることはしません。
国のお墨付きをもらっているからです。
ハウスメーカーだから安心という神話はもう通用しないかもしれません。