自宅を建て替え

マンションの駐車場代をきっかけに始まった実家の3階建て「建て替え」計画/東京都荒川区 K様邸

家を建てる、このまさに大きな決断をする時、ゴーサインを出せる勇気と知恵が必要となる。
幸運な出会いの中で、必要な知恵とアドバイスに背中を押されて、見事にできあがった一軒の新築3階建てがある。

ふっと想った駐車場コストが始まりだった

都内の一角に新築を建てたK様は、遡ること数年前のある日、借りている駐車場代を何気なく計算をしてみた。マンション住まいで近くに駐車場を借りるという生活を30年ほど続けてきていたが、駐車場代を800万円以上も支払っていることになっていて驚かれた。「それが行動するきっかけになったかもしれません」とK様。


近くの母親の住む実家をなんとかリフォームして、駐車場も実現できないだろうか。そこで地元の工務店さんでリフォームの説明会があって参加してみたK様。見積りなど出してもらったのだが「どうにでもなりますよ」という安請け合い的な言葉に不安を感じ、信用できずにいたのが、ちょうど去年7月のことだった。
1.永年使い込んだお気に入りのキッチンテーブルが家族仲良しの舞台。ぴったり部屋に溶け込んでいる。
2.ソファの後ろを少し開けて外が見えるようにした窓際が愛犬ロン君の特等席。
3.K様夫妻と有能な狩猟犬のシュナウザーのロン君。

背中を後押ししてくれた、かけがいのない出会いがある

「娘たちふたりも成人して快適に暮らせる家を何とかリフォームしたいと思っていたのですが、何からはじめてどうしたら良いのか、何を信じたら良いのかわかりませんでしたね」と語るK様ご夫婦。
勉強のつもりで去年9月にビッグサイトの日経新聞社主催「リフォーム&インテリア」というイベントに行き、そこで運命的な出会いをする。住宅コンサルタント会社のネクスト・アイズの小野氏との出会いだった。
そしてネクスト・アイズのサービス「建て替えかリフォームか」という住まいの診断書を利用した。初回相談を受け、後日小野氏と一緒に自宅の現地調査を行う。
「もっと柱とか太いと思っていたのですが、観察すると気づかされる問題点が浮き彫りになりました」とK様。
「外壁のクラックもあって基準値を超えていたり、構造補強などがかなり必要で、まともに見積もりを取るとそっちにお金がかかってしまう」と小野氏。「駐車場をつける事が絶対条件だったので、壁をとり、柱など補強することをしないといけないのだけど、古い建材を利用するリフォームは耐用年数も保証されないリスクを背負う事になるんです」

後々のことを考え、なるべく大きいお金を掛けたくないのでリフォームを考えていたK様だったが、この住まいの診断書により、リフォームより建て替えのほうが良いかなというお気持ちになっていった。「容積率とかで駐車スペースを造ると、建て替えた場合以前より建屋が小さくなるのでは」と心配していたK様、それが新築を躊躇していた要因でもあった。しかし、「駐車スペースの容積率に含まないという優遇措置も新しくできたのですが、それよりも天空率という新しい規定ができたことで、充分建てられるようになったんです」と小野氏の提案で解決。そしてK様ご家族と小野氏の建替え計画が始まった。

まず小野氏が選んだ工務店2社、ハウスメーカー2社に、設計と見積を出してもらって検討に入った。
決断は速かった。その中から、ヨーロッパ、特にイギリスの室内の佇まいを気に入っているご夫妻は、そのデザインが可能な三井ホームに発注を決めた。
4.施工会社選択の決め手になったのがこのクオリティ高い出窓。ロンドン風の出窓に相応しいカーテンにもこだわりましたと奥様。
5.家具を低めにしているので、ゆったりと感じる空間に。天井の照明もヨーロッパ・テーストを盛り上げている。

実現した広々としたリビングのある暮らし

「昔、主人の姉がロンドンに住んでいたことがあって、そのアパートメントには、いかにもロンドンというような素敵なアーチの出窓がありました。それ以来、ずっと憧れていて、いつか自分達が家を建てる時はこんな出窓が欲しいと思っていたんですよ」と嬉しそうに話す奥様。2階の広いリビングにある光がたっぷり入るアーチ型の素敵な出窓は、奥様のお気に入りのスペースだ。季節のお花や、インテリアを可愛らしく並べて楽しんでいる。
「僕は本当はスペイン風が好きなんですよね」と言いながら、やさしく妻の意見を受け入れてしまうK様の笑顔が素敵だ。 家族想いのK様ご夫妻の気持ちが随所に感じられる。たとえば20年来マンションで使っていたウッド調のL字型ダイニングテーブル。「娘が赤ん坊だった頃、この上をハイハイしていたんですよ」と奥様。貴重な家族の歴史が詰まったテーブルも、三井ホームのヨーロッパテイストの中でしっくり馴染んでいる。

ご希望だった家族の集うリビング・ダイニングを広く採ること。それは対面スタイルのキッチンスペースも相まって、大きなリビング空間を実現している。床から天井までの大きな窓が、明るさを確保。愛犬のシュナウザー、ロン君は、その窓際の特等席をもらっている。
娘さんふたりも屋根裏部屋テーストのお洒落な子供部屋があるのだが、自然とこの心地よいリビングに集まってくる。
6.3階の子供 部屋。天井を高く採りで開放感がありながら、天井が斜めで屋根裏部屋の雰囲気を醸し出す。
7.キッチンからリビングが見渡せる。たっぷり採ったキッチンスペースも奥様のお気に入り。
8.娘さんふたりの部屋を繋ぐ3階の廊下に造った娘さん専用の洗顔スペース。お洒落だ。

コンサルタントが後押しした家づくり

家を建てるうえで必要な手続き、銀行とのやり取りや建築許可など諸々をコンサルタントしてもらうことで、どれほど助けられるものなのかをK様は実感された。「もしあの時小野さんに会えなかったら今ごろどうなっていただろう。本当に良かったと思います」
9.奥様のご希望で付けた玄関脇の収納室の取っ手。
10.玄関脇に設けた広い多目的納戸は、駐車場でできたデットスペースを有効利用。写真左側は大容量のシューズ収納棚。
11.駐車スペースとシンボリツリーのシマトネリコ。アーチスタイルを採り入れヨーロッパの薫りがするデザインに。
ご希望だった駐車場も大きい車が入れられるように広いスペースを採ってある。「年に数回家族みんなでキャンプに行くんですよ」とK様。シンボリツリーのシマトネリコが、家族を乗せる車をお出迎えしている。
物件名
東京都荒川区 K様邸
家族構成
夫婦+娘2人 犬1匹
構造工法
2×4工法
設計
三井ホーム株式会社
住宅コンサルタント
小野信一(ネクスト・アイズ株式会社)
取材/金瀬 ちゆき 撮影・文/田原 直

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