いよいよ年末も押し迫ってきました。
先日、夕方は会社の近くの六本木ヒルズで人と会い、夜は忘年会が表参道だったのですが、両方とも若いカップルを中心に大変な人込み。みなさん目指すのはイルミネーションで、まさにクリスマス一色でした。
着工件数は減少を続ける中で前年比で9.0%増加
さて、国土交通省が公表している「建築着工統計調査報告」によれば、令和6年10月分で、持家が35か月ぶりに前年同月比でプラスに転じ、9.0%の増加となりました。
「建築着工統計調査報告」では、新設の着工件数を「持家」、「貸家」、「給与住宅」、「分譲住宅」の4種類に分類し、それぞれの着工戸数を発表しています。
「持家」とは、建替えや土地を購入して注文住宅で建築されたもので、「貸家」とは賃貸住宅、「給与住宅」とは社宅、「分譲住宅」は分譲戸建てと分譲マンションの着工戸数です。
着工戸数ですから、契約はその3か月から6か月前に遡るので、実際の市場とは遅れてその数字が現れるものです。今回は10月分の着工戸数ですから、4月から7月までの契約件数と置き換えることもできます。
全体の着工戸数は年々減少傾向で、平成からのデータで言えば、バブル時の1990年の170万戸から2023年は81万戸へ、また、注文住宅である「持家」は、1990年の48万戸から2023年は22万戸まで半減しています。
当然ながら、「持家」である注文住宅の主役はハウスメーカーや工務店。
30年ちょっとで着工戸数は半減していますから、ハウスメーカーは、統廃合され、工務店は倒産の危機に瀕しているのが実情です。
その「持家」ですが、35か月振りに前年同月比で増加したことは、ハウスメーカーさんも工務店さんも、少しは回復の兆しが見えたことでほっとしているのではないでしょうか。
もちろん背景には、建築費の高騰などで様子見をしていた一次取得者が住宅ローン金利のさらなる上昇を見据えて動き出したこと、そして、子育て、若者世帯中心に住宅税制や補助金などの支援策が効いていることも間違いありません。
いずれにしても、人口減少、世帯数減少である日本においては、約900万戸の家余り、空き家の存在からも、既存住宅の流通が一番であり、新設の着工件数は徐々に減少していくでしょう。