10月も後半に入りました。一次的に気温が下がりましたが、また明日からは気温が上がるとのこと。それでも朝晩は冷え込み、その寒暖差になかなか体がついていきませんね。
体調にはくれぐれもご注意を。
最近の賃貸住宅は人件費・建築費の上昇で利回りが低下
さて、最近相続対策がらみの賃貸住宅の相談が多くなっています。
過剰な預貯金から不動産へ、駐車場から賃貸住宅へなどの土地の有効活用による評価下げが主たる目的です。
しかしながら、基本プランから事業収支を計算すると、いくら相続対策が主眼といえども、昔ほど収益は得られません。
理由は明白。人件費含む建築費コストが急激に上昇しているからです。3年前位からの比較でいえば、木造、鉄骨造で1.5倍くらいでしょうか。鉄筋コンクリート造だと、相場などなく坪200万円以上となります。
コンサルの前提として、土地購入費用にお金がかかるわけではありませんから、表面利回り(総収入÷建築事業費)は、木造で10%、非木造で8%が目標数字でした。
ところが最近では、建築費の上昇で、木造は8%、非木造で6%を死守するのがいっぱいになってきています。
相続対策で自宅併用とする場合は、賃貸割合が低くなればなるほどさらに利回りは低くなります。
固定資産税や管理費、修繕積立金、所得税・事業税などを除いた実質利回りはさらに3%位は下がりますから、やるだけ損です。
賃貸住宅の成功する秘訣は?
利回りを上げるためには、建築事業費を減らすか、総収入を増やすしか方法はありませんが、建築費については、入居者ニーズが高く、さらなる建築コストの上昇で、そう簡単には減らせません。
総収入は、昨今の賃金の上昇含むインフレで、家賃設定を上げていますがこれも過剰設定になってきているようです。
先日の日経新聞によれば、分譲賃料が2年ぶりに3か月連続で下落に転じたとのことです。マンションや戸建ての価格高騰を受けて、購入を見送る消費者が賃貸物件に流れたことから、賃料も上昇を続けてきたが、ここへきてピークアウトしてきた可能性があるとしています。
失われた30年と言われたデフレ時の、賃料は下落し続けるということはないにせよ、過剰な賃料設定はその後の空室リスクや賃料下落リスクを生むことになります。
優良資産としての賃貸住宅成功の秘訣は、しっかりとした市場調査と収支計算を含む基本計画をしっかりと検討することです。