連日の猛暑です。立秋はとうに過ぎていますから残暑ですが、この残暑いつまで続くのでしょうか。
気象庁の1か月予報によれば、9月も引き続き全国的に暑いとのこと。体調に気を付けましょう。
現在の日本の中古住宅流通割合は?
さて、中古住宅市場の流通割合が増加しています。
2008年の総務省の住宅・土地統計調査によれば、日本の中古住宅流通シェアは13.5%。アメリカの90.3%、イギリスの85.8%はもちろんのこと、全世界的に見ても低い流通割合でした。
理由は、低い性能の住宅を建てては壊すというスクラップ&ビルドを国が推進したことにより、日本人の新築偏重が起きたことによります。
これが最近では少し変わってきています。2018年の同調査では、中古住宅流通シェアは14.5%と微増ですが、中古マンションブームを中心に、今後はもっと増える見込みです。
中古住宅の流通増加は中古マンションが要因
2024年度の経済財政白書によれば、内閣府が住宅金融支援機構のフラット35利用者調査などから推計したところ、中古住宅を購入した割合は27.1%まで上昇し、30代以上で新築がよいとする割合が半分を下回ったとのことです。
これには、新築マンションが都内では1億超えと手が届かなくなったことや中古マンションの買取り業者によるフルリノベ再販で、新築同様の内装設備と変わらない見た目になったことも要因です。
さらには、新築マンションの供給数と比較し、中古マンションの供給数が増え、価格が安いだけでなく、希望エリア内での選択肢が多くなったことも中古マンションを購入しやすい魅力だと思われます。
中古戸建ての流通は?
一方、中古戸建てはどうかというと、中古マンションほど流通は増えていません。
- ・木造が中心で築年数が古く、劣化状況など構造自体が不安なこと。
- ・マンションとは異なり、駅から遠く利便性が感じられないこと。
そして前述の理由により、買取り再販業者の動きが鈍くなり現況売買で見た目も悪く、自身で購入後のリフォームなど面倒が多いことがその理由です。
しかし、国の住宅政策の変更により、以前の劣悪な住宅品質とは異なり、長期優良住宅や低炭素住宅などの普及で、良質な住宅が出回ったこと、ハウスメーカーを中心に、修繕履歴などを備えたスムストック事業や国も同様に安心R住宅を推進
していることから、少しずつ中古戸建ても流通していくように思われます。
人口減少、世帯数減少を踏まえ、空き家が7戸に1戸ということを考えれば新築をどんどん建てるよりも、良質な中古住宅を生かし、どう流通させるかが住宅業界の課題です。