早いもので4月も最終週。今週末からはゴールデンウィークです。間に3日間平日を挟みますが、長い人で10日間の休み。心待ちにしている一方で、こんなに休んだら5月病ではありませんが、新社会人などは社会復帰できるのか心配になりますね。
止まらない円安
日銀がマイナス金利を解除した際に、期待された円高には全く動かず、逆に150円台を維持し株価にも連動。一次4万円台をつけたものの、現在では3.7万円前後をうろついています。
円安になると、海外への輸出産業は好調な一方、国内はエネルギー資源や輸入品を中心に物価が高騰し、国が目指す良いインフレとされる2%~3%を維持できなくなります。
大企業、中小企業が一体となって取り組んでいる賃上げが、せっかく5%を超えたのにもかかわらず、物価上昇が3%を超えてくると実質賃金の上昇の実感がわかず、6月の定額減税を実施しても、消費意欲の低下を生み、経済活性化につながらないという結果にもなります。これは大きな問題です。
住宅・不動産業界においては、運送業とともに、5年間の猶予期間を経て、この4月から働き方改革関連法の適用を受けることになりました。
これにより、残業時間等の規制を受け、現場監督や設計士などは、無理な残業などできなくなり、人員の確保に伴う大幅な人件費の高騰が予想されます。事実、4月からハウスメーカーなどは、止まらない物価上昇と人件費の高騰を受け、5%から10%の値上げを実施しています。
建築費指数、建設物価指数月報
(一社)建設物価調査会「建築費指数、建設物価指数月報」によれば、東京の建築費指数は、2016年を100Pとした場合下記と示しています。
【(一社)建設物価調査会「建築費指数、建設物価指数月報」による東京の建築費指数】
- 木造原価は74か月連続で前年比を上回り、134Pへ上昇
- RC造原価は38か月連続で前年比を上回り、127.9Pへ上昇
つまり、7年で原価が約1.3倍ですから、3000万円の建築費は3900万円へ、1億の建築費は1.3億へ上昇したことになります。付随する解体工事費、外構工事費、空調工事費、照明・カーテン工事なども上昇していますから、前述の建築工事費に加算されることになります。
単純にこの30%の物価上昇を、賃金に置き換えれば、5%の賃上げを6年間継続しないと追いつかないということになります。
例)(1×1.05/年)×6乗=1.34
良いインフレを目指し、物価上昇を年2%から3%を継続し、賃上げは、毎年5%以上を目指すという国の指針は、並大抵なことではありません。