親からの土地を子世代へと引き継ぐために

母「この場所には夫の両親が70年前に建てた２階建ての家があり、それを昭和63年に夫が建て直し、２階建ての１棟の中で、自宅と賃貸部分を縦割りにしました。その自宅部分の１階に自分たち夫婦が、２階に子ども２人が住んでいたのですが、娘が嫁ぎ、夫が他界してからは息子と２人暮らし。広い家の中にモノが溢れ、暮らしにくく、なんとかしなきゃと思っていました」

写真／居住棟の玄関で。「建て替えにあたっては、たくさん荷物を処分しました。今から思えば、よくあれだけため込んでいたものだと思います」と笑うN様。




娘「古い家は雨漏りなどの問題が出ていたので、なんとかしないといけないのは確かでしたが、当時、私は母のことを考えたら元気なうちに実家を売却してマンションに移るのがいいのではと思っていました」


母「娘も息子もそうすすめてくれましたが、私は夫の両親が苦労して手に入れた土地を売るのは忍びなくて。どうにか残せないものかと考えていたんです」

たまたま見つけた「建て替えセミナー」に３人で参加して


母「そんなとき、カルチャーセンターで、ネクスト・アイズの建て替えセミナーが開催されることを知りました。これだ、と思い、早速、子どもたちに声をかけて３人で参加したのが栗原さんと出会うきっかけです。

写真左／前面道路に面して建つ賃貸棟。3フロアに1Kを中心とした計5住戸が配置されている。賃貸棟の奥に見えるのが居住棟。
写真右／N様とご子息が暮らす居住棟。右手の階段を上った2～3階には賃貸住戸がある。




そのときは話を聞くだけのつもりでしたが、セミナーの後、たまたま栗原さんが私たちのそばに来てくださって。せっかくなら相談をと後日ネクスト・アイズに行って、家についての思いを包み隠さずお話ししました。想いはあっても自分たちだけでは、何をどうしてよいかわかりません。栗原さんという信頼できる方に出会えたことが、今に至る大きな一歩でしたね」

「そんなこと、できるの？」 母子の思いはなかなか揃わず……


母「栗原さんは『決して簡単ではないけれど、将来的なお子さん２人への相続を考えて、賃貸併用住宅に建て替える方向を一つずつ探っていきましょう』といってくださいました。資金面の不安はありましたが、その言葉に勇気をもらった気がします」

N様の居室。写真上／旧宅では手芸教室を開いていたN様。新しい住居でも、飾り棚には作品が美しく展示されている。
写真下左／リビングダイニングから続くキッチンは通路幅を広めに確保し、使いやすく。
写真下右／穏やかな光が心地よい寝室。住居内はすべてバリアフリーとなっている。



息子「ただ、建て替えるためのポイントは金融機関の融資が下りること。設計コンペでは栗原さんが金融機関に信頼の厚い大手ハウスメーカー３社を選定してくれたのですが、融資が下りて建て替えすることになれば、今までなかったローンを抱えて、賃貸経営が始まるわけですから大変です。当時は母と住宅展示場を見学したりもしましたが、資金的に厳しかったこともあり、やっぱり融資なんて無理だろう、家を売ってマンションに移るのがいいと、内心では思っていました（笑）」

融資の取り付けと、将来の相続を見据えた分棟プランに感心

母「コンペをした会社の中で唯一、金融機関の融資を取りつけてきたのが、ＡＱレジデンスでした。それに将来の相続を念頭に、敷地を上手に２分割して道路側に賃貸棟を、奥に私と息子が暮らす居住棟を建てるというプランを提案してくれて。単純に敷地を縦に分割すると広さは平等になりますが、細長くなってしまい建物として成り立ちません。その点、ＡＱレジデンスは道路側の建物は土地の評価額は高くなるのでやや面積を狭くして、奥の建物を広くするという、よい案配のプランでした」

息子「話を聞き、最初にプランを見たとき、こんな手があったのか、なるほどと感心しました」

娘「アパートのご入居者に退去をお願いするなど、まだまだすべきことはあり、気が抜けませんでしたけどね」

母「結局、退去については、栗原さんとＡＱレジデンスの担当者が入居者の方たちにうまく話をしてくださって。問題なく建て替えのベースが整っていきました」

よき出会いに感謝しつつ、アフターサポートにも期待

息子「今回の建て替えをひと言で表すと『合縁奇縁』。当初、無理だと思っていたことが実現したのは、母の強い想いと、よき出会いがあったからこそ。建て替えで母とは一つ屋根の下ではありながら生活空間は独立しました。その分、できるだけ交流を保ち、親孝行をしたいと思っています」

娘「結婚して家を出ている私は、今回の建て替えを客観的に見ていましたが、どうすればうまくいくかを考える中で〝10年後、私はどこに住んで何をしているんだろう〟と、自分の人生も考えることになりました。途中、大変なこともありましたが、今は実行してよかったと思っています」

母「改めて思うのは、私たちの陰で栗原さんはさぞご苦労が多かっただろうということです。にもかかわらず、今後も賃貸経営でサポートしてくださるとのこと。家が完成して終わりではなく、長くかかわりを持っていただけることに感謝しています」

＜ご子息の居室＞
写真上段／現役ミュージシャンであるご子息は、新居の1階でヴォーカル、ギター、ピアノを教えている。
写真二段目左／愛用のギターは「ギブソンJ45」。
写真二段目右／自室がある2階への階段には、可愛らしい演出が。
写真三段目／2階の自室は2面採光の心地よい空間。左手にある階段の向かいにはキッチンがある。
＜賃貸棟＞
写真四段目／3階は約40㎡の1LDK。玄関を中心に、空間を左右に振り分けた使いやすい間取り。最寄り駅に近い都会立地ながら、周辺には高い建物がなく窓からの眺めも上々。





母「改めて思うのは、私たちの陰で栗原さんはさぞご苦労が多かっただろうということです。にもかかわらず、今後も賃貸経営でサポートしてくださるとのこと。家が完成して終わりではなく、長くかかわりを持っていただけることに感謝しています」

現状の安定だけでなく、先を見据えたよりよいプランをご提案


建て替え前、アパートは全室埋まり、N様の安定収入につながっていました。しかし年数が経っており、このままだと今後、修繕費がかさみます。また将来的な相続を考えるなら、一つの建物をうまく分割しておく必要があります。それらを考え合わせ、現実的なプランにすることが今回の要点でした。N様がおっしゃるように、賃貸併用住宅は建てた後が事業のスタート。ご縁を生かし、これからもアフターサポートを続けていきます。

ネクスト・アイズ
栗原　浩文さん